オフィシャルメールマガジン

12月17日　水曜日

こんにちは。勝間和代です。

音声入力で原稿を作っていて、いつも困ってしまうのは、ちょっと修正するとあっという間に音声入力が切れてしまうことです。

この辺をどうしたらよいかということをGeminiに相談していたら、なんとGeminiが「エンターキーで確定できるから、それをどんどん使えば良いのではないか」ということを推奨してくれました。

なるほど、エンターキーとバックスペースキーや矢印キーだけだと音声入力が切れないんですね。知りませんでした。

これはとても使える方法なので、しばらくこれでやってみたいと思います。まだまだ知らないことが満載です。本当に人工知能と毎日会話をしていると、こんなに知らないことが自分にあったのかということをつくづく感じます。すごい時代になりました。

これで音声入力のトグルを押す回数が激減しそうです。

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---サポメ本文---

12月17日　水曜日

おはようございます。勝間和代です。

昨日のサポートメールでは、確率と言っても一つ一つのつぶつぶに対して考えるのではなく、そのばらつきも踏まえて全体に対して適用することを推奨しました。特に繰り返したくさん行われるものというのは、たくさん振った2つのサイコロの目のように期待値に収束していきますので、日常生活で行われるものについては、是非そのようなイメージをいつも持っておいてください。

そして3日目にお話ししたい内容は

「不透明さや曖昧さを受け入れる」

になります。

先週のサポートメールのテーマである「完璧主義ではなく適当主義」というのも、まさしく、このような形で将来が曖昧であって、かつ決め打ちはできないという確率思考の発想から生まれたものです。

私たちはついつい確実な未来を知りたがるのですけれども、残念ながら確実な未来というのは何もありません。確実に成功する方法や確実な成功というものもないのです。確率が高いものはいくらでもありますけれども、だからといって本当に100%の確率というものは意外と少なくなっています。

これだけ科学が発達し、気象予報が発達したとしても、天気予報があれしか当たらないということについて思い起こしてみてください。なぜ天気予報が100%当たらないかというと、天気予報というのはどこかが変わると数珠つなぎ式に色々なところが変わってくるので、結果として風の予測や気圧の予測、台風の予測などが、基本的に100%の精度では不可能だからです。

だから、大事なことは雨乞いをすることや、雨よけをすることではなく、単純に軽量の折りたたみ傘をいつも一本カバンの中に入れておくことだと思います。私は荷物を少なくしたい方なので、さすがに0%や10%の確率の時には雨傘を入れませんが、30%を超えてくると確実に持ち物の中に傘を入れるようにしています。

そうすると雨が降った時にも大したことが起きませんし、靴にも暇さえあれば防水スプレーをシャシャっと振って、ちょっとした雨では撥水するようにもしています。

天気予報が外れて雨が降ってきてしまった時も、天気予報を恨むのではなく、元々天気予報は100%当たらないということを受け入れた上で、防水スプレーのように事前にできることはしておくし、もしひどい雨だったら純粋に雨宿りをしたり、コンビニエンスストアで傘を買えば良いわけです。

目の前の人が良い人か悪い人かという議論がいつもあるのですけれども、一人の人はそれこそ確率的に色々な環境、色々な場面において悪人の面も出てきますし、良い人の面も出てくるので、その人が100%の悪人はいませんし、100%の善人もいないので一概に言えません。むしろ、私たちがその人と対応する時に、その人の良い面が出るような形で引き出せるような関わり方をするのを心がけたいと思います。

様々なドラマや映画を見ていると、どうしても悪い人は悪い人、良い人は良い人というような描かれ方をしてしまって誤解を招くのですが、とにかく私たちは色々なものが中に混在していますし、ありとあらゆるものについて100%ということはないわけです。

ちょうど先週の適当主義の話の時に、何か迷った時には51%でもそちらの方の確率が高いと考えたら、とりあえずそちらを選ぶことを推奨しましたが、こちらの51%というのも基本的には主観で構いません。そしてそちらの方が良さそうだと思って選んでみた時に悪かったら、反対側を選べば良いわけですから、何の問題もないわけです。むしろそこで選べない方の方が問題です。

逆に不透明であるからこそ、確率的にまずいものについては近づかないということも考えた方が良いでしょう。

先日、私はゴルフ仲間からクルージングの会のお誘いを受けて、一応Zoomでミーティングをしたいというので話を聞いてみたところ、どうもマルチレベルマーケティング（MLM）のようでした。親会員と子会員がいて、だんだんとマルチになっていくと、親会員が儲かる仕組みです。そしてそういったパートナーシップにならなかったとしても、普通のメンバー会員で積み立てもできるのですが、こちらはアフィリエイトになっていて、会員を勧誘すればするほど儲かる仕組みになっているようでした。

さすがにこれはちょっとまずいと思いまして、私が軽くWeb検索をした結果を向こうに説明をして牽制をする一方で、誘ってきた人は元々友人の友人なので、間にいる友人に対して「このような勧誘があったけれどどうか」という問い合わせをしてみました。そうしたら、やはり私の直の友人も同じ勧誘を受けていたそうで、相談をして、ちょっと共通の仲間に対して気をつけるよう手配するということになりました。

もちろんこれは「いわゆるマルチ」ではなく、純粋に本人が良いサービスだと思って勧誘したり、推奨している可能性もゼロではありませんが、まあ高い確率でマルチだと思います。一応、本当のマルチであれば営業許可が下りないといったことを向こう側は一生懸命説明をしていました。けれども、少なくともマルチに疑われるような事業内容である時点で、確率的にアウトです。

このような不透明な状態において、判断を先延ばしにするのではなく、とりあえず確率的にこれはまずいと思ったら近づかないし、その警告を周りにも出すようなことをしていくわけです。実際にそれが本当にマルチであるかどうかを確認して、100%の結果を得てからでは遅いのです。

そういう意味では食材などについても、どうもこの食材は悪影響を及ぼす可能性があるのではないかと言われているものはいくつかあります。典型的にはハムやソーセージなどの加工肉、あるいは乳製品などです。もちろん食べ過ぎなければ大丈夫だという話がありますが、やはりリスクが一定確率であるのであれば、とりあえず不要不急のハムやソーセージ、そして乳製品は食べないということを私は実行しています。

不要不急というのはどういうことかというと、それしか選択肢がない時には喜んで食べるけれども、他の選択肢がある時には摂らないということです。そしてもちろん自分自身でも買う時には、ハムやソーセージや乳製品は避けています。

プラスのエリアにおいても鵜呑みにしないし、だからといってマイナスのエリアにおいても放置しないといったような感覚で、それぞれの確率思考のバランスをとると良いと思います。

ちなみに子宮頸がんワクチンやコロナウイルスワクチンに関しては、私はワクチン賛成派です。これはなぜかと言うと、やはり確率的なエビデンスが良いからです。

それこそ、わずかな事例において、因果関係もわからないまま様々な異常が起きた時に、それがワクチンのせいとしてしまうのは簡単なのですが、そのようなほんの少数の例外を持って、大多数の確率的な証拠を無視するのは、私は思考のバランスが悪いかなと思っています。

だからといって人にワクチンを打てと強制するわけではなく、少なくとも私自身はワクチンを打つという選択をするようなイメージです。様々な確率思考については、人にそれを押し付けるというよりは、自分自身がどのような選択をしたり、どのように生きるのかという時に、主軸にするようなイメージがあると良いと思います。

人に「クソバイス（受け取った相手がおせっかいと感じるようなアドバイス）」をするのがなぜまずいかと言うと、クソバイスをする人が相手の状況や確率に対する視野が狭いことが多いからです。たまたま何かのアドバイスがその人にとって確率的にぴったりと当たったのかもしれませんが、相手の状況の中でそのアドバイスが100%、あるいはそれに近いぐらいピタッと当てはまるかどうかということは分かりません。

どうしてもアドバイスをしたいのであれば、どのような条件下で、どのような確率で、どのような状況であればそのアドバイスが効くのか、といった前提条件まで入れてあげた方が親切でしょう。しかもよほど親しい人でなければ、わざわざそのようなことは余計なお世話だからしなくて良いのです。

ちなみにアドバイスには2種類あって、相手のために思ってするアドバイスと、自分が相手に対して上位に立ちたいがためにするアドバイスの2種類があります。もちろんアドバイスをする方は前者のつもりで行っていたとしても、受け取る方は後者として受け取ってしまったら、それは意味がありません。極端な話、アドバイスをする時には「相手がどのようにそれを受け取るか」という確率思考まで踏まえてやった方が良いかなと思います。

とにかく全ての物事は曖昧で不透明であるということを前提に、だからこそデータを集めたり、状況を把握しながら少しでもその状況を理解し、確率が上がるような形で冷静に見つめつつも、曖昧であるということを前提とした判断や選択を続ける方が良いと思います。

自分である程度の確率が計算できるようになると、曖昧であるということも受け入れやすくなりますので、是非とも周りの物事を「できる・できない」「知ってる・知ってない」といったような0か1かではなく、確率のメガネで見るようにしてみてください。

3日目の課題は

・あなたは、全ての物事は不確実で不確定であり、ある程度の範囲を広めに見積もって考えないとかえって選択や判断を間違うため、そこにこそできる限りで良いので確率思考を当てはめる考え方を持っていますか？

・あなたは、全ての物事は不確実で不透明であるからこそ、詐欺や災害などを含めて確率的にまずいと思ったものからは、しっかりと逃げるような逃げ足の速さを持っていますか？

・あなたは、対人関係において、会話をする時にも相手が自分が言ったことをどのように受け取るかということの可能性を、幅広に確率的に考えてコミュニケーションをしていますか？

です。

---ここまで---

いかがでしたでしょうか。

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